小松原一男原画展 in フランス

5年前の1995年、小松原一男はフランスから招待され、カルトニストCartoonistというイベントに参加しました。今年、2001年故人を偲んで特別展示が開催され、日本より小松原ナオ子夫人もゲストとして、再び南仏を訪れたのでした。
(文責なみき/写真は主にアニドウ特派員菅沢悦子の撮影)

トゥーロン 2001年4月27日〜29日
原画展内部。小松っちゃんの遺影を初めに、デビルマン、タイガーマスクなどきれいなカラー・イラストが並びます。アルミの枠がゆらゆら揺れるので、早速「ぶつからないで」という張り紙が出されました。しかし、絵に夢中のお客さんはつい後ろの柱にぶつかって、全体がユラユラします。ときどき、絵がおっこちたりして大騒ぎになります。
カメラで一枚一枚撮影する人や、ビデオカメラで長時間撮影する人もいて、熱気につつまれていました。
正面の壁面(というか窓?)ブラインドが締まりきらないのでやや明るいのが難点。ここにはおフランスおたくの原点「キャプテン・ハーロック」を中心に。
絵が隣りどうし、隙間がないのは点数を多めにした結果でした。部屋のサイズは聞いていても、全部の壁が使えなかったので、こんなにギチギチになってしまいました。
なんと、完成したばかりの「メトロポリス」の小松原原画(鳩の飛行など)をパラパラして見られるコーナーも設置。ヒロイン、ティマを中心に数カット並べました。説明して実演しないとなかなか見方がわからないようでしたが、そのうちガードマンの人が覚えて説明してくれたりしたのです。
華麗なお城の数々で有名なロワール地方から来たお嬢様と兄弟一行。有名なお城の隣りに住んでいるとか。それってやっぱり城じゃないのかな?次の原画展はお城で開催かもしれません。熱心なファンで何回も原画展を見にきてくれました。
ナオ子夫人(右端)は着物姿で、注目を浴びていました。このお嬢様は15才というので、何を見て小松原ファンなのか、??です。ちなみに真ん中にいる弟は「宇宙刑事シャリバン」のサインをもらっていました。

追悼ビデオ上映の前に挨拶するナオ子夫人。着物姿に拍手喝采があがりました。この後、去年6月の阿佐ヶ谷での追悼イベントの際にアニドウで用意した特別ビデオクリップ(歌う小松っちゃんと作品集)の他、遺作となった「メトロポリス」予告編が流されました。
<哀しみのハーロック>という悲しい旋律をバックに流れる小松原作品の映像には特別ゲスト羽原信義氏も涙。この後のトークショーに差し支えたと訴えられました。上映後にも大歓声があがり、こんなにストレートな歓迎には、さぞかし5年前の小松ちゃんもうれしかっただろうなあ、と実感しました。
グレンダイザーの衣裳に身をつつむファン。この日はコスプレ大会が催されたこともあり、会場にはコスプレの人があふれていました。この人は熱心なファンで、5年前にも小松原氏に会いに来ています。もちろん小松原原画展にも来場してくれました。フランス放映時の歌手であるエンリケ氏のショーでは、司会もつとめていました。歌はもちろんグレンダイザー(ゴルドラック)のオープニングとエンディング曲でした。

会場の外に列を作る人々。1階から4階まで貸切のコンベンションホールには、3日間で過去最高の延べ2万人が来場したそうです。トゥーロンは観光地ではないですが、このためにフランス内外からわざわざみんなやってくるようです。
あまりの成功にこれまで年一回だった開催が今年は秋にもパリ市内で開催されるとのこと。
原画展の準備段階で。向こうの人にまかせていたら、位置も作品の並べ方もばらばらで、あわてて直すことに。
小松ちゃんの顔も上の段に遠く飾られていましたが、まるで皇室のお写真のようなので、絵と一列に並べたのです。せっかくの展示なので、ぐーっと近くで見てほしいですからね。
なお、この展示会も含めてイベント全体の記録ビデオをアニドウで制作しました。(60分)
どこかに公開・上映したいものです。
とりあえず、オープロには1本おいておきますので、関係者は社内で見てください。